SLLing-Net [手話文法研究室] Sign Language Linguistics Net: by ICHIDA Yasuhiro
  月刊言語連載(2005年1月〜12月)「手話の言語学」目次

手話の言語学(1) 自然言語としての手話
 手話とは
 手話はいつ、どこで、誰が、どうやって“作った”のか
 クレオールとしての手話
 手話の方言
 ろう教育における手話
 シムコム
 学習者と手話

手話の言語学(2) 図像性をめぐる2つの世界─手話の音韻形態構造(1)「CL構文」
 手話の“音節”
 図像的な語彙
 非図像的な語彙
 フリージング
 CL構文
 CL手形
 CL手形と運動の結合
 CL構文における位置

手話の言語学(3) 多様さの向こう側─手話の音韻形態構造(2)「フローズン語彙」
 手話の語彙における非利き手
 最小対立語の検討
 自由変異と相補分布
 運動の質と手形
 手の向きと手形
 起源意識と手形

手話の言語学(4) 二つの世界のはざまで─手話の音韻形態構造(3)「数字・漢字・指文字」
 数詞体系の音韻形態構造
 数詞抱合語
 /W/手形をもつ語
 二つの運動からなる語
 手形変化を含む語
 指文字語の手形同化

手話の言語学(5) 時間・空間と手の運動─日本手話の文法(1)「アスペクト」ほか
 
語彙的アスペクトと運動タイプ
 反復と拡張
 速度の問題
 形容詞の語形変化
 手話言語の個別性について

手話の言語学(6) 空間の文法─日本手話の文法(2)「代名詞と動詞の一致」
 現場指示的な代名詞
 文脈指示的な代名詞
 動詞の一致
 神経言語学からの示唆
 言語的空間
 言語的空間における位置の選択
 同一指示

手話の言語学(7) 話し手の身体と視線─日本手話の文法(3)「動詞の一致(再考)と指示対象のシフト」
 観察者空間における話し手の身体
 動詞の一致──観察者としての第三者の導入
 動詞の一致──観察者としての当事者
 観察者と、いわゆる「視点」について
 referential shift(指示対象のシフト)
 引用型と行為型
 姿勢による手指と身体の同一性の標示
 視線による観察者の顕在化

手話の言語学(8) 頭の位置と口型─日本手話の文法(4)「知覚・思考動詞と非手指副詞」
 4つの頭の位置
 視線のシフトとの共起
 思考を表す視線との共起
 思考を表す視線の知覚動詞としての解釈
 非手指副詞における頭の位置
 referential shiftと頭の位置

手話の言語学(9) 頭の動き・位置と顔の表情─日本手話の文法(5)「文タイプと従属節」
 4つの頭の位置が表す意味
 首振りによる否定の応答表現における頭の位置
 あいづち表現における頭の位置
 頷きがもつ二面性
 眉の位置
 頭の動きと位置および眉の位置──命令文の場合
 条件節
 理由節と時間節

手話の言語学(10) 文構造と頭の動き─日本手話の文法(6)「語順、補文、関係節」
 非手指要素の重要性
 基本語順と話題化・焦点化による名詞の移動
 wh分裂文
 語彙化・焦点化標識としての〈言う〉
 文末の接語代名詞
 補文構造
 主要部内在型関係節
 形容詞と名詞の語順の問題
 [固定]と[頷き]

手話の言語学(11) 文法化─日本手話の文法(7)「助動詞、否定語、構文レベルの文法化」
 手話言語は機能語が少ないか
 独自の文法化
 否定語
 使役構文
 期待や予想に反する結果の表現
 〈よい〉の文法化
 構文の最後部の感嘆表現

手話の言語学(12) 図像性とメタファー─日本手話の語彙体系
 手話言語の語彙体系の特徴
 大きさと形状の表現──SASS
 特定の形状と結びついた物体の表現
 大きさに関する形容詞
 物体の移動や位置関係に関する動詞
 特定の位置をもつ物体の表現
 身体動作動詞とフリージング
 メタファーによる造語
 身体部位を用いたメタファー
 日本手話独自の慣用句の存在
 意味の変化とメタファー的起源
 メタファー的起源と類義語のネットワーク
 ことば遊びに見るメタファー

 

 ©2005 Yasuhiro Ichida